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今日のこれ一本!

ここはマニアックな趣味の映画やゲーム、OVAを見た感想のページです。
内容知らない方はなんのこっちゃ?のネタバレ含むページですので、内容が気になる方は、見ないで下さいね。

○ ガガガFINAL鑑賞記〜考察ヴァージョン























○ ガガガFINAL鑑賞記〜考察ヴァージョン

“戦い”は終わり、“勇者王の物語”は終わった。
物語はいつか終わるもの。でも、伝えられた心は決してなくなりはしない。受け継ぐ者がいる限り。

FINAL of FINALを見て1ヶ月が経ちました。
あの感動的かつショッキングなラストについて、他の方々の意見に発見があり、何度も見直して、ようやく作品の言いたかったこと、あのラストでなければいけなかった理由が理解できたと思います。

この作品に込められたメッセージは、ラストシーンのパピヨンのモノローグに表れていると思います。
「Gクリスタルは、三重連太陽系の人たちから作られた生命の結晶。
Gストーンを持つ者は、生命のエネルギーをたずさえた、本当の勇気の力を使える者。私たち生命あるものは、みんな同じ力を持っています。
だから、この先訪れる困難も、勇気さえあれば、必ず乗り越えられるでしょう」

勇気の力、それは奇跡さえ起こす困難を乗り越える力、それこそがこの作品を一貫して流れるメッセージでした。
はっきりわかるのは、作り手が「勇者王の物語」を終わらせるつもりだったということです。「勇者王伝説」が「伝説を越えた神話」になり、「これは最後の物語である」と作品中で明言された以上、勇者王の物語は終わらなければいけない。

ガイを始めとしたGGGとJ達が見せたのは、勇気の力を信じて、勇気ある行動によって命を燃やし奇跡の勝利を勝ち取ったという姿でした。これこそ、未来に語り継がれる神話ではないでしょうか。
地球の人々は、勇者達の姿を心に抱いて、勇気ある誓いを思い出し、勇気をもって困難を乗り越えてゆく。悲しみに心痛めても、前を向いて乗り越えてゆく。
ラストシーンのマモルの表情は、まさしく、そのメッセージを受け継いだ証だと思います。監督やスタッフが最後に表現したかったのは、その姿ではないでしょうか。
あのまま彼らが地球に帰ってすぐに戦いの日常に戻ったとしたら、物語も終わらないままで、勇気ある誓いのメッセージも十分に伝わらなかったと思います。

もし勇者達が地球に戻ってくる姿が見られるとすれば、それはもう「勇者王の物語」ではないのかもしれません。
自分たちの役目を果たした彼ら勇者達は、戦士としての力も使い果たしてしまいました。
ラスト近くのシーンで、GGGのみんなを乗せたクシナダが、Jアークにドッキングする時、ほとんどジェイダー部分がなくなって上半分が平らになっていました。
機能の大半を失ったJアーク、ディビジョン鑑を失ったGGG、大破した勇者ロボたち、エネルギーを使い果たして動けないJとルネ、生死さえ定かでないガイとミコト。
ギャレオンもまた、作られた目的とマモルの保護者としての役目をまっとうしました。ギャレオンがマモルのために動くことはもうなく、ただ見送るだけなのです。

しかし、Jアークとドッキングしてから、勇者ロボたちを拾い集めて船体に縛り付け、ガオガイガー内のガイを救出し、宇宙を漂うマモルを回収し、ルネとJから戒道を受け取り、ESミサイルの内部改造までやったGGGのクルー達には、ご苦労様と言いたいですね。
太陽系に帰るつもりでES空間に入ったのはいいが、出口に到達する前に三重連太陽系の次元ごと消滅してしまうことがわかり、なんとか突破口を開けないか、トモロと協議した、というところでしょうか。
彼らが自力でES空間に入ったようには思えないので、最後のギャレオリア彗星に入ったんじゃないかなと思ったのですが、本当はどうなんでしょう。
最後のESミサイルが2個と聞いた時、全員一致で(Jも含めて)結論を出した気がしてなりません。

三重連太陽系で生まれた子どもたちは、故郷を形だけ復活させるよりも、第2の故郷・地球を守って戦うことを選びました。彼らは、生まれ故郷や親を模した存在(カインとアベル)と戦う痛みを、本当は感じていたはずです。
そして、故郷の“再生を破壊”した時、彼らは三重連太陽系という宿命から解き放たれたのだと思います。
彼らの帰る場所は、地球です。マモルはギャレオンが無くとも生きてゆけるし、戒道は生体兵器ではなく人間として生きてゆける。
地球人の子どもとして、迎えてくれる人と帰る場所があるのだから。

二人を乗せたESミサイルは、光の方向へ進む道から180度反転し、現実の暗い生の世界に送り返されます。
帰還するのが一人じゃなくって二人だからこそ、彼らは帰れるのだと思います。
木星軌道上に出て向かい合った二人の、虚脱したような表情が、雄弁に心情を物語っています。誰かと分け合わなければ、一人で背負うには重すぎる記憶と思い。
勇者たちの記憶を伝える者として、三重連太陽系の最後の生き残りとして、二人は未来への希望を託されたのですから。

Jに「もう戦士として生きる必要はない」と言われ、ルネに「親を大切にしなよ」と言われ、泣きながらうなずく戒道君を見た時、本当に、彼が自分の気持ちを我慢して抑え続けてたんだな、と実感しました。Jもちゃんとわかってたんですね。
母親に抱きしめられて涙ぐむ戒道君の表情を見たとき、ああ、本当に良かったな、と思いました。これで良かったんだ、と。

勇者王の物語は終わり、少年は勇気ある誓いを受け継いで強くなる。
だから、もう、彼らが帰ってくる姿を見てもいいと思う。
ESゲートの彼方に消えた超竜神は、想像もしなかった方法で帰還し、木星で原種とともに消滅したかのように思えたJアークは、遥か宇宙の果てより戻ってきました。
彼らが死ぬ姿が描かれたわけではありません。
決して諦めてはいけない、これがGGG隊員の誓いのはず。
夜空に流れる緑色の彗星、あれは未来への希望であることを、我々は信じている。勇者が、帰ってくることを…。